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変わりゆくもの,変わらないもの

岩や山を登るのは得意な方ですが,平面を果てしなく歩くのもきらいではありません。

数年前のたしか今くらいの季節のことです。蚕ノ社駅のあたりから歩きはじめて,三本の鳥居のある木島神社に立ちよったあと,嵐山方面へと歩いていますと,広沢の池にでました。その池を過ぎて大沢の池の方に向かう途中,急に景色が広がりました。むねがすくような風景です。空にまでつづきそうな田園風景の先に,美しい青い山々が連なっています。西の先には愛宕山がみえます。見渡す限り,住宅はありません。電柱すらありません。ひと気もありません。さてはここは穴場だな,と,ピンときたのでした。このあたりに住めば,この広大な田園風景とあの山々を借景にして…。よろこんだのも束の間でした。

そこは,言わずと知れた「歴史的風土特別保存地区」。この北嵯峨の田園地帯は平安時代より続く千年の農地であり,古の天皇もその美しさを和歌に詠まれているような場所でした。

自分の無知さに恐れおののいたと同時に,そうか平安時代からすでに皆にばれていたか,と随分とがっかりしたのをとても覚えています。

 

大発見をしたと思ったことが,すでに世の常識である,ということがわりとあります。

 

自分のことはすこし棚におきます。

11月から認知行動療法のプログラム,アクセプタンス&コミットメント・セラピー(通称ACT)がリスタートしています。ACTは,第三世代の認知行動療法,最新の認知行動療法ともいわれます。一方,最新とはいえども,本質のところは,すでに2500年前にブッタが発見したことと同じです。最近の研究者がそこを再発見しただけです。何千年も前からひとは同じように悩み,同じように解決法にたどりつき…。ご興味ある方はぜひご参加ください。

 

いつの時代にも通じる,普遍の真理,また,冒頭の田園風景を何千年も変わらずに美しいなと感じること,ずっと変わらないもの。その一方で,変化し続けるもの。それには,どんな違いがあるのかな,と考えます。

 

辿り着いた考えは,きっとまた既に以前からあるかもしれないぞ,と,うっすらよぎるようになったのは,ちいさな変化です。

K.M.

        

 

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