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雷すなわち声を発す

  リビングの日めくりカレンダーの日づけが,生活のペースのバロメータのようなものになっていました。例えば,実際の日づけとカレンダーが一致しているときは,「よしよしよい塩梅に生活しているな」とか。一方,はっと気づいてカレンダーを眺め,10日前の日づけのままであると,わりとがっかりした,残念な気持ちになっていました。そんなときは,あわてて10日分をめくるのですが,その日の格言だけは,「どれどれ」と確認していました。「歳月ひとを待たず」なんて書かれていますと,「ををを,見抜かれた」「やはりな,当たっている」などと。占いか何かと勘違いしているのではないかとも思いつつ。

 

 

  一日72時間くらいあればな,と欲深いことを思うこともありました。また時には,日づけが変わる前からすでにカレンダーをめくりはじめ,先取りできて得意げな気分に浸ったりと。それはまるで,日めくりカレンダーに翻弄されているような,操縦されているような,なんとも本末転倒なことになっておりました。

 

 

    2022年は二十四節気,七十二候でいってみることにしました。2月4日スタートです。二十四節気とは,一年を24等分したもので,立春からはじまり,大寒で締めくくります。七十二候は二十四節気をさらに3つの季節に分け,1年を72等分したものです。ですから,365枚のカレンダーが,72枚になったということです。1枚が5日分というわけです。毎日の格言の代わりには,季節のことばが72枚の各短冊につけられています。

 

 

「鶯鳴く」「桃始めて笑う」など,風や雨,鳥や花,魚や虫がみせる情景が,そのまま季節の名前になっています。とても美しいことばです。

 

 

 最近では,つぎの短冊に移れる日を,数日前から待つくらいの余裕さです。このペースがどうも私にはちょうどよいみたいです。余白の大切さを実感します。同時に,一日の中に,生活のすぐそばに,自然の兆し,季節の変化をちらっとですが,感じるようになった気がします。

 

   ちなみに,4月4日くらいまでが「春分」,七十二候は末候「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」です。強い風と共に雷がなりはじめる季節。春の嵐は,春の訪れを告げるめでたいものとされています。

K.M.

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