大阪・関西万博
55年ぶりに大阪で万国博覧会が開かれています。最近、会話の中に、「行くの?行かないの?」や「いつ行くの」という声が聞かれるようになりました。そもそも万博とは、「国際博覧会」のことで、人類の進歩や、人類の将来のビジョンを示す展覧会だとそうです。今回のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だそうで、150か国ほどの国や地域、企業や団体が、そのテーマに基づいて様々な展示をされているそうです。
55年前、まだ私が小学生だった時に、家族で万博に行きました。学校から帰ってからの平日の午後に、父が仕事を半休にして家族で出かけました。人気のアメリカ館やソ連館も30分ほど並んで入場したことを記憶に残っています。当時のことを振り返って母は、「アメリカ館で月の石を見たけど、誰かが手に持って見せてくれるものばかりと思っていたが、ガラス越しにみただけで・・・」と何度も何度も同じ話をしてくれます。
ところで、皆さんは、展示会を見に行ったときにどれくらいそのことを印象に残っているのでしょうか。私の場合、美術館や博物館に行って印象に残っているのは、作品のことよりも、一緒に行った人の反応や建物のことや人の多さなど、直接作品に関係ないことの方がよく覚えているものです。実際、作品だけを見るのなら、写真や映像で見たほうが細かく、ゆっくり、快適に見ることができると思います。では、なぜ、直接会場まで足を運ぶのでしょうか。そこには、会場でしか味わえない雰囲気を感じ取るためではないでしょうか。長時間並んだこと、誰かがはしゃぎすぎて楽しかったこと、信じられないような失敗談、それぞれが、その会場で、自分しか味わえないものだと思います。今回の万博は、並ばない万博と言われていますが、本当に並ばないのなら、会場に行けば自分の思い通りのところに空飛ぶ車に乗っているだけで好きな展示に連れて行ってくれたらどれだけいいでしょう。さらに、すべてバーチャルで展示を見れるようにすればに座りながら、寝ながらでも実現できるのにと考えてしまいます。
でも、そんな万博って楽しくないですよね。並んだことも思い出、行きたかったパビリオンに入れなかったことも思い出、世界の珍しい食事ができたのも思い出になるのではないでしょうか。そんなことを考えながら、どこのパビリオンを予約しようか、口コミを見ながら作戦を練っています。
T.T.