価値とチョコミント
梅雨明けも発表され、本格的な夏がやってきそうな気配がしています。私自身、夏生まれではありますが、四季の中で夏は正直あまり得意ではありません。夏の日差しは暴力。お風呂上りのドライヤーは地獄。と、ぼやいてばかりになってしまいますが、そんな夏でも私にとってよいこともあります。
夏前頃から徐々に顔を出し始めるアレ。そうです。「チョコミント」です。夏を過ぎると急に行方をくらましてしまうので、今が一番の旬です。子どもの頃から大好きでしたが、数年前ほどから急にメジャーどころへ出てきた印象があります。どちらかと言えば日陰者だった気がしてたけどなあ・・と感慨深く思ったりもしています(大袈裟ですが)。コンビニなどに行くと、今は水色と茶色の組み合わせが領域を拡大しており、“チョコミン党”という言葉も耳にしたりします。私としては喜ばしいことなのですが、チョコミントたい焼きを目にした時は、少し躊躇しました(中には水色のあんこが入っており、なんとも食欲が湧かない風貌で、ちょっと手が出ませんでした。味は美味しいのかもしれませんが)。
一方、チョコミントは好き嫌いがわかれるもので、昔から今現在も論争があります。その中で、チョコミント否定派の方がよくおっしゃる定番の必殺技が「歯磨き粉やん」です。私も幾度となく言われてきた気がします。好みは人それぞれ、好きも嫌いもどちらも自由であることは言うまでもありませんが、「歯磨き粉」と張り合えるくらいの返しがないものか、と考えることがあります。ですが、今のところピッタリくるものが見つけられていません。
「歯磨き粉食べたことあるんですか?」はよく使われている気がしますが、歯磨き粉も口に含みますし、味わっている側面もあるので、返答として微妙な感じがします。「歯磨き粉にチョコ入れて食べたことあるんですか?」はどうか。「歯磨き粉?あ、チョコミントになれなかったやつか」と力技でやってみるか。あるいは「歯磨き粉警察のみなさんご苦労様です」と気遣いながら角を立てまくるか。もう開き直って、やけくそで「はい、歯磨き粉も大好物です」とチョコミントへの偏愛を伝えてみるとか。
などと脳内会議を開催していましたが、なんとも不毛でした。疲れました。途中、過激派のようになってしまいましたが、自分の価値が揺らいだり、自分の中で不安や傷つきを感じると自身の防御力が発動し、攻撃的になってしまうことはよくあることです。人のことを責めたくなる時は、自分が責められるのではないかというこわさがある時も少なくありません。
チョコミントは美味しい、それ以上でも以下でもないですね。自分の価値なんて声高に叫ぶものでもないですし、そっと静かにひっそりと、でも大切にもっていたいものです。それは、相手も同じですし、相手の「歯磨き粉」も面白がれるくらいの気持ちで。
(チョコミントのオススメ商品がありましたら、是非、教えてくださるとうれしく思います)。