映画のエキストラに参加してみました
先日,気に入っている映画の続編の公開が決定し,そのエキストラ募集をしていることを小耳にはさみました。履歴書や
自己PRなどを一気に入力し,気づけばノンストップで応募ボタンをクリックしていました。 結果発表を待つこと2週間,
なんと当選通知と詳細の案内が届き,当日を楽しみに待っておりました。もちろん映画のエキストラの経験などなく,
未知の領域です。映画がどうやってつくられているのか実際にみてみたいという興味と,気に入っている映画の舞台裏を
のぞける,という思いだけで応募していました。 撮影は日曜日の朝早くからのチームでしたので,土曜に前泊し,撮影終了後,その日のうちに帰ってくるという予定でいました。
このブログを書いている今は,月曜日の昼休みです。実は昨日撮影がありまして,日付が今日にかわるころ,京都に戻ってきました。ロケ地が熊本の僻地でしたので,移動だけで片道6時間程かかりました。これを書いている今も,疲れがなかなかとれていない状況です。
昨日の撮影日までのあいだに,何か情報収集をしようと,映画のホームページやSNS上の他の方たちの投稿をみていましたら,「場所が遠いから,いきたいところだけれど応募は無理かな」「演技力に自信がないから大分迷ったけれど,あきらめる…」など。応募を迷っておられる方の投稿を相当数目にしました。 演技力のこと,移動時間のこと,考えに浮かばず,「あの映画にかかわれるなんてこんなチャンスないな」「おもしろそう」と思ったやいなや,申し込んでいた自分のことを,その投稿をみて省みました。周囲に話しましても,「演技とか大丈夫?」「表情の練習は必要なのではないか」「遠すぎるけど,週末2日で帰ってこられるのか」と言われてようやく移動手段等を調べはじめました。
こういった行動パターンは定番なのです。「行動力がある」といってもらうこともわりとあります。一方,自分としては,その自覚は全くなく,例えば,「いいにおいがするから振り返る」とか「良い絵がかざってあるから,立ち止まって眺める」のと同じくらいのことにしか思っていないので,恐縮してしまいます。実際,動いてみてからやっと気づくことや,失敗も多いのです。そこではじめて,反省したり,やり方を変えてみよう,と考えはじめます。
慎重に考えてから行動する,ということの重要性ももちろん承知しています。一方で,よくわからないけれど,やってみたかったら,まずやってみて,結果をみて,それからまた考えてみる,ということも,なかなか有効なことも多いのかなとも思います。人生の時間は有限ですし。
何事も一長一短ですね。どのパターンも柔軟にできるのがよいのでしょうが。
今回の撮影では,当日の朝まで,またしても演技力のことなどすっかり忘却の彼方でした。朝,鏡の前で歯を磨いている時に,ふとはっと思い出し,「ここはひとつ試しにやってみようか」と,担当シーンのひとつである恐怖におののく顔を試してみました。なんともわざとらしく胡散臭い自分の表情をみて「だめだこりゃ」とあきらめ,朝ロケ現場へとわくわくしながら颯爽とでかけたのでした。
ネタバレになりますし,プロデューサーの方から,「映画の『メン・イン・ブラック』の記憶を消す装置を使ったつもりで,1年間,今日見聞きしたことを一切忘れてください」といわれましたので,多くは語れません。ただ,わたしの出番はわりとハードでしたので,何の準備もしていなかったせいか,右足をすこし痛めました。
軽く肉離れしているかもしれません…。笑
さらに,宿に関しましても,「訳あり宿」しか適当な宿が見つからず,そこでも想定外の刺激に満ちた経験をしました。
この話はまたいつか。 考えるまもなく動くと,こんなこともたくさんあります。ただ,映画の撮影現場というはじめてのことばかりで,とても新鮮で楽しかったことは確かです。そして全力でやりきりましたよ。
ところで映画のタイトルは何なのだ,と気にしてくださる方もおられると思いますが,さすがにどうもはずかしいですし,ここへの掲載は控えます。来年の夏公開予定です。こういうところだけは慎重なのです。
K.M.
阿蘇山にて