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睡眠についてのおはなし

先日,日本大学医学部精神科医の内山真先生の「睡眠の歴史」についての講演会に何名かのスタッフで参加しました。

 

そこでお聞きしたおはなしをすこししてみたいと思います。

 

「日の出とともにゆっくりと目が覚めて,太陽が沈むとともに自然な眠気を感じ,寝床についてぐっすりと眠る。そして朝になれば,すっきりと目覚める。」という自然の流れの中で暮らしていた昔に比べて,文明が進化した現代のくらしのなかでは,このような安らかな眠りが失われてしまった。そしてますます不眠症は増えてきているのではないか。漠然とそんな風に思う方は多いのではないでしょうか。

 

実際は,昔の暮らしの中では,わたしたちが思っているよりも,睡眠環境は快適ではなかったことも事実のようです。いつマンモスなどの猛獣に襲われるのか,いつ盗賊がやってくるのか,少しでも物音がしたらすぐにでも飛び起きられる状態でないと,自分たちの生命と財産を守ることができません。

 

現代の常識では,ストレスを解消させるために睡眠をよくとろうとします。一方,このようなセキュリティーのない状況では,ストレスがあると眠れないということ自体,生きていくための重要な戦略だったのです。

 

アンデルセン童話にこんな話があるそうです。

お城にすむ,何不自由なく育った王女が,マットとふかふかの羽根布団を20枚重ねた下に1 粒のエンドウ豆があっただけで一睡もできなかったという話です。快適な環境の中で生活している人にとっては,少しの環境の変化が不眠につながるという逸話です。ヒルティの「眠れぬ夜のために」が書かれたのが19世紀末,人々が安全に暮らせるようになってからです。

これは,現代のわたしたちの悩みに通じるものです。

 

現在のように夜から朝までひとかたまりで眠るようになったのは,治安が進み昼の労働の疲れを夜の睡眠でとる考え方が広まった産業革命以降のようです。

それ以前の人々は,日が沈むと晩の眠りに就きます。夜中になると一度目覚めて闇の中で 1~2 時間過ごして,再び朝にかけて眠りに就きます。猛獣たちが活動するのも,ちょうどこの辺りの時間帯だったそうです。夜中に起きて,人々は何をしていたのでしょう。神秘的な闇の中で,先祖を思い,生と死を考え,夢について語り合い…。こどもは祖母や祖父の寝床を訪れ,授けられた神話や伝説の世界を信じたといいます。

 

眠ることについて,「睡眠の歴史」という切り口からおはなしされたのが,とても興味深く感じました。

 

さて,みなさんの睡眠はいかがですか?リサーフでも睡眠に関するプログラムを行っております。睡眠を見直してみたい方は,ぜひご参加ください。

 

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K.M.

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