食わず嫌い
すっかり冷え込んでまいりました。気づけば今年も終わろうとしていることに実感がおいつかないところもありますが、みなさん体調などくずしておられませんでしょうか。
先日、“ぬれおかき”というものを人生で初めて食べました。想像とは違って、とても美味しく、少し感動を抱きました。というのも、絶対にぬれてないほうがいいし、むしろ何をぬらしてくれてんだ、くらいに思っておりましたので、手を伸ばしてみようという気もありませんでした。食わず嫌いってやつですね。おせんべいが罰ゲームで醬油漬けにさせられたものだと思っていましたが(本当にごめんなさい)、“ぬれおかき”という、ちゃんと存在価値がある食べ物なんだと実感しました。
そんな出会いをした数日後、スーパーに立ち寄ると、みたらし団子に半額シールが貼ってあるのを見つけました。その光り輝く『半額』に秒速で手を伸ばし、買い物かごに入れました。特別みたらし好きということもないのですが、その日の気分とも合い、半額で買えたというお得感も後押しし、完全にみたらし団子の舌になりながら、楽しみに帰宅しました。さて、お茶をいれて、みたらし団子を目の前に用意した束の間のこと、光り輝いていた『半額』を凌駕する存在感で、ある文字が飛び込んできました・・『カレー風味』・・・は?
あー余計なことしてるやつだー角度入れてきてるやつだーと、気分がダダ下がり。こんなにみたらし気分にさせておいて、今更カレーを受けいれるような余地はないのですが?と空中に反論しつつ、でも、カレー風味みたらしに罪はないので、しょうがなくいただきました・・・まずくはない。でもカレー風味はいらない。みたらしの甘さはしっかりあるがスパイスも効いているからいつ食べるものか立ち位置がわからない。あ、一番おもしろくない結果だ。ただ、唯一の救いは半額であることで、結果のおもんなさと半額が打ち消しあい、丁度プラマイゼロにはなりました。
ぬれおかきのような感動を味わうことができなくても、食わず嫌いはあらゆる局面で起きるものだなと感じます。もちろん、結果的にカレー風味みたらしのようなこともありますが、どちらにせよ、少し世界が広がったことには変わりなく、このおもんなさがおもしろい、みたいな気持ちにもなってきますし、食わず嫌いというのはもったいない側面もあるなと改めて思ったところです。
積極的に行動せずとも、日々の流れに漂いながら、やってきた機会に身を任せるだけでもいろんな出会いや可能性がありますね(もちろん抗うことも時に大事ですが)。こんなことを思いながら、最近はカレー風味にケチをつけたくなるほど、日々が単調というか、元々無駄なことをしたり、道草したり、うだうだするのも好きなほうではありますが、やらなきゃいけないことでいっぱいにしている気がしました。忙しいからと後回しにしがちですが、本当にやりたいことであれば案外にやっていけたり、逆に、ほかのことが効率的にまわりはじめたりすることもよくあるものです。
・・・もうちょっと、日々に無駄を、遊びを、道草を・・・・・
Y.Y.





