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単純な脳、複雑な「私」を読んで

こんにちは。スタッフのKです。

先日、私は、脳科学者の池谷裕二さんの「単純な脳、複雑な「私」」という本を読みました。

この本は、脳科学者の著者が、高校生に対して行った講義が対話形式で綴られているものです。

脳科学の視点からみた「心」の構造、脳の不思議についてわかりやすく書かれています。

ご興味ある方は読んでみてください。

 

 今回のブログでは、

この本の中の「日常生活は作話(意味のでっち上げ)に満ちている」という章の内容から

私が感じたことを書いています。以下は本の内容を一部引用しています。

 

 

脳には右脳と左脳があり、右脳と左脳で担当している機能が部分的に異なります。

そしてその両者をつなぐ連絡経路として「脳梁」と呼ばれる場所があります。

手術によって、左右の脳の連絡経路である「脳梁」が切断された分離脳の人がいますが、

そうすると左右の脳の違いがはっきりと見えてきます。

 

「言葉」を司る脳の部位は、90%くらいの人で左側にあります。

右脳と左脳はそれぞれ身体を交差してコントロールしています。

分離脳の人の、視野の右半分に「ペン」という文字を見せると、

言語野が左脳にあるので「ペンという文字が見えました」と答えられますが、

左半分に見せると、「何もみえません」や「よくわかりません」という答えが返ってくるそうです。

 

この実験の続きでは、右脳(言語を理解できない)に「笑え」と見せると、

何が表示されているのかは把握できないけど、「ハハハ」と笑うという行動を取ってくれます。

そして「どうして笑っているのか」と聞いてみると「だって、あなたが面白いことをいうから」など、現状に合わせて都合よく説明をしてしまうそうです。

池谷 裕二著「単純な脳、複雑な「私」」より引用

 

この実験の真実を私たちは知っているので、「だって、あなたが面白いことをいうから」という言葉は、

自分の取った行動を後から上手く説明のつくように理由付けしているということがわかりますが、

本人はいたって真面目に言っていて、うそをつこうと思って言っているわけではないようです。

 

こんな風に、脳は、

現に起きてしまった行動や状態を自分の納得のいくような形で、うまく理由づけして説明してしまうことがあります。

そういったことは、この実験だけに限らず私達も日常的に行っているようです。

 

それを考えると、私達は外の世界をあまり「ありのまま」にみているのではないのかもしれません。

 

 

では「脳」はどうやって外の世界を知るのでしょうか。

 

脳はどうやって世界を知るのか、全ての情報は「身体」を通じて脳に入ってくる、

手で触れたり、耳で聞く、目で見るなど五感を通じて。

身体は、脳と外界を繋ぐインターフェイス。

だから「身体あっての脳」ということを忘れちゃいけない。

池谷 裕二著「単純な脳、複雑な「私」」より引用

 

「身体」を通じて外界の情報が「脳」へ入ってくるということを考えると、

気持ちや考えを変容したり、選択肢を増やし、柔軟性をもつためには

「身体」を通じて入ってくる情報を変化させること、

つまり「行動」を変えてみたり、「環境」を変えてみること、

体験から学ぶということも一つの選択肢として理にかなっているのかもしれないなと思いました。

 

それと、ありのままの「身体から入ってくる情報」を観察してみることかなと感じました。

というわけで、私も色々な体験から学んでいきたいなと思います。

 

この本の中には、ほかにも脳の研究からわかった色々なことが会話形式で書かれているので、

ご興味があれば、是非読んでみてください。 Kでした。

 

 

 

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