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呪術界におけるナッジ

立春を過ぎました。

年が明けたのが,まるで昨日のことのようです。

 

 

年明けといいますと,みなさんは,おみくじはひかれますか?わたくしのおみくじへの熱意には,毎年むらがあります。

ここ数年,興味がわかなかったのですが,今年はいきおいいさんで,ひいたのでした。前のめりすぎて,箱の中の棒が,

勢いよく飛んでいきました。担当の巫女さんがキャッチして下さいました。その時,脳裏をよぎったのが,凶の気配です。目視の末,凶が確認できました。このような結果は,今まであまり記憶にはありません。

 

 

そんなぁ,と,思わず声がもれでます。すると,担当の巫女さん,さらにその横におられた巫女さんが,その声をかき消し気味に,わりと大きめの声でおっしゃられました。

 

 

ここで厄はおちました。これからですから。

 

 

その声かけをしていただいた瞬間,なるほど,となりまして,ただちに気分は晴れやかに大吉です。何ともめでたい思考パターンであることには,まちがいはありません。それにしても,凶にはそんなシステムが搭載されていたのか,と感心したのでした。過去のほとんどは,“なんとか吉”だったくらいの記憶しかなく,あまり深く考えたことがないことでした。

 

 

 

 

凶ついでに話しますと,昨年の暮れ,厄袋なるものを購入したのでした。全くの興味本位です。

 

 

そもそも厄袋とは・・・

手にした人に,中身以上に悲惨なことがおきないよう,年始早々に厄袋で涙を流しておいて,あとは12ヶ月,這い上がっていくだけにしましょう,という趣旨のもの。

 

 

注意書きが,いくつかありました。

◯必ず年が明けてから開封してください。厄が飛んできます。

◯分別して捨てましょう。駅のトイレなどに捨てたらいけません。厄が飛んできます。

 

 

なるほど,それはなかなかおもしろい袋だな,と思って喜んで入手したのでした。また,そんなこと言いつつも,わりと良いものが入っているに違いない,と,高をくくっていました。

 

 

そのような流れで,今年の元旦,わくわくしながら厄袋を開けるや否や,その中身に驚愕しました。してやられた,と思い,しばらく茫然と,途方に暮れたのでした。そして,その足で向かった先で,先の話しの通り,凶をひいたのでした。

 

 

こうなってくると,もう上しかみえない構造になっていました。これはいったい,発想の転換とも言えるのでしょうか。

 

 

 

 

厄や凶は,あながち避けたいばかりのものではないのかもしれません。むしろ,手放しで浮かれてしまう大吉とは,違う角度からの大吉的要素があるのではないかと。優しくそっと背中をおしてもらえるような。そうです,これは,何回か前のblogで,他のスタッフが書いておりました,行動経済学,ナッジなのではないかと,ふと思った歳のはじめでした。

確かに日常の至るところにナッジは潜んでいるものですね,というおはなし。

 

 

追記

厄袋の中身は、決してきかないでください。

注意書きの最後にありました。中身を公表してはいけません。厄が飛んできます,と。

 

 

K.M.

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