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猫のわが・まま

 みなさま、はじめまして。スタッフのY.Yと申します。初めてスッタフブログを書かせていただくことになり、そう言えばブログを書くこと自体も初めてだなあ・・とふと思いつつ、どうしようかと手探りのまま、いま文字を紡いでいるところです。でも、まあ、気張らずに、思うままに書いてみようと思います。しばしお付き合いいただけますと幸いです。

 

 と、前置きを書きながら、ふと横に目をやると、不満そうな顔をした飼い猫の姿が目に飛び込んできました。(推定)1歳を少し過ぎた黒猫さん、野良出身の男の子です。約1年前、庭にやってきたところを保護し、我が家に迎え入れました。ついこないだのこと、去勢手術を終えた彼なのですが、傷口を舐めないようにエリザベスカラーをつけて帰ってきました。10日間装着しなければならず、いつも自由にのびのびといたずら三昧していた姿とは一転、渋い顔で佇んでおられました。私はエリザベスカラーをした彼を見つめながら、「エリマキトカゲ・・・パラボラアンテナ・・・」と、心の中でなんとなく呟いていました。そんなしょうもないことを考えている私とは裏腹に、彼にとっては自身の運命を思案する深刻な事態であり、「これ(エリザベスカラー)とともに生きねばならぬのか・・?」といった具合で、なんとも気の毒であり、私も心苦しく思っておりました。せめてもと思い、手術を頑張った労いも込めて、全世界の猫さんたちが心を奪われているとされているちゅ~るをあげながら、「あと○○日でとれるからね・・・踏ん張っておくれ・・・」と、自由へのカウントダウンを伝え続けていました。

 

 よくマイペースと表現される猫ですが、猫とともに暮らしていると、“わが・まま”という言葉が頭をよぎることがあります。“わがまま”ではなく、真ん中に点がおかれている“わが・まま”です。なにものにも支配されず、ある信念に縛られることもなく、自分に正直に、赴くままに、シンプルに生きている、といったイメージです。かといって、頑固なわけではなく、自分の欲求をうまく満たすために、時折ほどよく忖度しながら、持ち前のしなやかな身体のごとく、柔軟に生きているように感じます。「あ、猫が猫かぶってるな」と思うこともしばしばですが、それはそれで憎めず、「なんてこった・・・」と思うようなことでも、毎度、ご愛嬌に負けてつい許してしまいます。

 

 そんな猫さんの暮らしぶりや生き方を傍で感じることで、癒しや安らぎをもらっています。また同時に、人間の私たちはそうもいかないよなあと、羨ましく思うこともあります。さまざまな関係性の中で生きている私たちですが、“わが・まま”を盛大に繰り広げた日には、はた迷惑な困り者となっているであろうと想像されます。ただ、そんな複雑な世界に生きているからこそ、“わが・まま”に気づくことを大切にしたいとも思ったりします。身勝手でいるということではなく、我のままでいること、案外それに近づくことは難しく、特に、周囲の状況や思いに合わせようと心を砕いてると時(心を砕かざるを得ない時)、より一層わかりにくいものとなっているかもしれません。猫という存在は、「いま、自分が求めているものはなんだろうか?」「それは、したいと思ってしているのだろうか?」「そのしたいは丁度よく表現できているのだろうか?」といった自身への問いかけとして感じることがあります。そんなことをつらつらと巡らしながら、猫のように、自身のこころとからだが心地よい状態を感じ取れることができるようになれたらなあと思う次第です。

 

 さて、首にしがらみを拵えた黒猫さん、眉間の皺が深く刻み込まれそうな勢いの彼ですが、元の“わが・まま”を取り戻せる日を、彼とともに私も刻一刻と待ち望んでいます(手術、よく頑張ったなあ・・・えらい・・・)。

 

Y.Y.

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